パソコンを検討している人の中には「デクストップかノートパソコンどちらにしようかな?」と考えている人も多いでしょう。両者は様々な点で比較する必要があります。特にCPUはパーツの中でも要といっても良いくらい大切です。
そこでデスクトップ用のCPUである「Core i7-8700」と、ノートパソコン用の「Core i7-8750H」を比較して、スコアや処理能力にどれくらい差があるのか比較したいと思います。
目次
デスクトップとノートパソコンのCPUの違いをチェック
デスクトップとノートだと、使用目的がちょっと変わってきます。自宅に据え置きで使うデスクトップは、処理能力を優先して性能を引き上げることができます。物理的にも余裕があるので拡張性が高いのも魅力です。
一方のノートパソコンは、モバイルを想定しているので「バッテリー」「サイズ」「重量」「排熱」など様々な問題に取り組まなければなりません。必ずどこかで制限にかかりやすくなってしまうので、バランスを見極めなながら開発をされています。
これらの特徴は、CPUの特徴を見ても理解できます。
CPUの比較表
名称 | スコア | クロック(OB) | コア(スレッド)数 | TDP |
Core i7-8700 | 15171 | 3.2GHz(4.6GHz) | 6コア12スレッド | 65W |
Core i7-8750H | 12573 | 2.2GHz(4.1GHz) | 6コア12スレッド | 45W |
Core i5-8400 | 11745 | 2.8GHz(4.0GHz) | 6コア6スレッド | 45W |
スコアというのが処理能力を数値であらわしたものになります。簡単な比較するならここを見るとわかりやすいです。今回比較を進める、デスクトップ用のCore i7-8700のスコアは「15171」で、ノート用のCore i7-8750Hは「12573」と82%ほどの数値に止まっています。
クロック数は平常時の数値です。この数値が高いほど処理能力は高くなりますが、消費電力も高まってしまいます。人間で言うと歩いている時のスピードと思ってもらって良いかもしれません。ノートが2.2GHzで、デスクトップが3.2GHzなので早足しで歩いているような状態ですね。
OBというのはオーバーブーストの略で、負荷がかかった時にどれだけ処理能力を高められるかの数字になります。言わば全力疾走です。ここでもデスクトップのほうが高い数値を示しています。
これを見て「ノートパソコンのCPUはダメ」だと早合点はしないでください。むしろ様々な課題をクリアしてこの数値に収まっているのはすごいことです。
実際の使い心地も大切なので、数字の比較はこの辺にしておきます。
比較するパソコンのスペック
比較するパソコンは、マウスコンピューターが展開するクリエイターモデルの「DAIV」です。随所で性能の違いはありますが、デスクとノートを完全に同じ環境でテストするのは困難なので仕方がありません。
どちらのパソコンもハイスペックと呼ぶのにふさわしい性能になっています。実際に両方とも使ってみましたが、それぞれに感動のあるパソコンでした。詳細はレビューでご確認ください。
名前 | DAIV-DGZ520H1-SH2-RAW | DAIV-NG7510S2-M2SH2 |
写真 | ![]() |
![]() |
タイプ | デスクトップ | ノートパソコン |
OS | Windows 10 Home 64ビット | |
CPU | Core i7-8700 | Core i7-8750H |
グラフィックス | GeForce GTX1070Ti(8GB) | GeForce GTX1070(8GB) |
メモリ | 32GB | |
SSD | 240GB | 240GB NVMe対応 |
HDD | 2TB | 1TB |
チップセット | インテルZ370 チップセット (ATX) | インテルHM370 チップセット |
レビュー | 詳しく見る | 詳しく見る |
この表を見てもピンとこないという人は参考記事をご覧ください。パーツのお話がざっと理解できるかと思います。
ベンチマークソフトで比較
ここからはベンチマークソフトを使って、CPUの性能を掘り下げて見ていきます。
CPU-Zでスコアをチェック
ベンチマークソフトのCPU-Zを使ってスコアを出してみた結果です。
シングルスレッド | マルチスレッド | |
Core i7-8700 | 397.4 | 3646.1 |
Core i7-8750H | 456.9 | 3354.3 |
なぜかシングルスレッドでは、ノート用のCore i7-8750Hのほうが高いスコアを出しました。パーツ構成などにも影響されているのでしょうが、実際にやってみないとわからないものですね。
CINEBENCHによるスコア
もう1つベンチソフトの「CINEBENCH」を使ってテストしてみましょう。スコアは以下の通りです。
Core i7-8700 | 1405 |
Core i7-8750H | 1151 |
Core i7-8700が「1405」で、Core i7-8750Hが「1151」となりおおよそ82%ほどの性能です。ここでは先のCPUのスコア通りの結果になりました。
処理能力の差を比較!
ベンチマークソフトでは、CPUの性能を数値化して見ることができますが「実際に使ってどうなの?」ということが見えてきません。ここからは「RAW現像」と「動画編集」にかかった時間を計測しながら、使い心地を見ていきます。
RAWの一括変換にかかる時間は?
約150枚(5GB)のRAWデータを一括返還した時にかかった時間を計測しました。現像に使ったソフトは無料ソフトの「RawTherapee5.4」で、JPEG品質は90%、高画質での変換です。
Core i7-8700 | Core i7-8750H |
5分31秒 | 6分32秒 |
その差は約1分で、大量のデータを扱う人には無視できない差なのではないでしょうか?毎日RAW現像をするような人なら、この積み重ねが大きな時間を生み出すか、ロストするかに繋がってきそうですよね。
もちろんノートパソコンはモバイルも可能ですし、液晶一体型で場所をとらないというメリットもあるので、天秤にかけるのは処理能力だけではありません。人によっては小さな差だと判断できると思います。僕はどちらかと言えば後者に属しますね。
動画のレンダリングにかかる時間は?
使用した動画編集ソフトはDAIVが推奨パソコンを販売しているResolveです。
4K動画(24P)約5分間の映像のレンダリングにかかった時間を計測します。データ容量は3.67GBです。
書き出しの条件は以下の通り。
・フォーマットはMP4
・コーデックはH.264
・解像度は3840×2160
・フレームレートは24
・品質は最高品質
CPU | Core i7-8700 | Core i7-8750H |
GPU | GTX1070Ti | GTX1070 |
時間 | 3分27秒 | 5分18秒 |
動画のレンダリングは、CPU性能だけではなくGPU(グラボ)の性能にも影響されます。より高性能なGTX1070Tiを搭載したデスクトップのほうがレンダリングの時間は短くなりました。ちょっと想像していたよりも差が出てしまった感じです。
ノート用CPUはボトルネックに注意
両者を比較している時に感じたのですが、ノートパソコンの「DAIV-NG7510S2-M2SH2」がとにかく熱を持ちました。あまり高熱になってしまうとパソコンは本来の性能を発揮できないので、今回もそんな感じだったのかもしれません。キーボードまでポカポカしましたし、電源部周辺は触れないほどではないにしろ高熱を帯びていました。
ノートパソコンはボトルネック(熱やサイズ)に足を引っ張られるケースは少なからず発生することを覚えておきましょう。
まとめ
・デスクトップ用CPUのほうが安定して性能を発揮できる
・ノート用CPUは様々な課題をクリアしないとならない
・課題の壁にぶち当たると性能が発揮できないケースも出てくる
今回の比較テストの内容では「デスクトップ用のCPUがおすすめ」というような結果になりました。排熱や電力などの条件をクリアできれば、ガンガン性能があげれるデスクトップはやはり有利ですね。安定して負荷のかかる処理もこなしてくれるでしょう。
僕個人としては、メインでノートパソコンを使っていますし、ブログを書いたり、写真を現像したり、簡単な動画を作る分には充分です。むしろ技術の凝縮感を感じるノートパソコンが大好きです(笑)
もし悩まれている人がいれば、参考になれば幸いです。
当ブログは予算や目的、パーツなどからパソコンが選べるようになっております。ぜひトップページからお気に入りの1台を見つけてください。
比較したパソコン
DAIV-DGZ520H1-SH2-RAW
CPU | Core i7-8700 |
メモリ | 32GB |
グラボ | GeForce GTX 1070Ti (8GB) |
ストレージ | 240GB SSD + 2TB HDD |
DAIV-NG7510S2-M2SH2
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