マウスコンピューターのDAIV A7シリーズをレビューします。
Ryzen 5 5600X×GeForce RTX3060を搭載した、ハイパフォーマンスモデルです。高画素ハイエンドカメラのRAW現像や動画編集といった作業を家庭的に処理できるのが魅力。無骨なデザインですがキャスターやハンドルを装備し、楽にスタジオ間の移動や背面へのアクセスが行えるようになっています。
各ベンチソフトの結果や、実際にRAW現像にかかった時間なども掲載していますので参考にして下さい。
※類似スペックのスコアを掲載する場合があります
目次
DAIV A7をレビュー!
公式HP:https://www.mouse-jp.co.jp/
マウスコンピューターのDAIV Aシリーズは、クリエイター向けに販売されているモデルです。
価格の安さを重視というよりも、パフォーマンスや拡張性、冷却性といった性能面を重視してデザインされています。そのため写真・イラスト・ゲーム・動画コンテンツなど多用途に対応できるパソコンです。
CPUにIntel製ではなくAMDのRyzenを採用することで幅広いニーズに応え、パフォーマンス面も強化される結果になっています。クリエイター向けとしてはIntel CPUを採用したDAIV Zシリーズが人気があるとはいえ、Ryzenの性能も無視できないところまで来ています。
他にもGTX1650を採用した下位モデル、Radeon RX6600XTを採用し価格を抑えたモデルなどが販売されました。(時期により終了している可能性があります)>DAIVのラインナップを確認する
DAIV A7のスペック
型番 | DAIV A7 |
OS | Windows 11 Home 64ビット |
CPU | Ryzen 5 5600X |
グラフィックス | GeForce RTX 3060 |
メモリ | 32GB(最大64GB) |
ストレージ | 512GB NVMe SSD + 2TB HDD |
電源 | 700W 【80PLUS GOLD】 |
サイズ | 約190×490×410 |
重量 | 約11.2kg |
価格 | 219,780円〜 |
リンク | >詳細を見る |
DAIV Aシリーズの中ではミドルモデルに位置しており、グラボが強化されているのが特徴です。より高度な動画編集やゲーミング環境を整えたい人向けになります。そのため価格が上がってしまうのは仕方がないことなのですが20万円超えはややコスパが悪いようにも感じます。
公式サイトではセールにも力を入れているので、状況によっては価格が数万円値下がりする可能性もないとは言えません。ここ最近はパーツ供給が安定しないこともあって、仕様の変更も多い印象がありますのでいつ販売が終了するか予測もつきません。欲しい時が買い時です。
>公式サイトでDAIV A7を確認する
>公式サイトでセール状況を確認する
また、この他にもIntel CPUを採用したDAIV Zシリーズがあります。→Coore i7-12700搭載!DAIV Z7レビュー
パーツの話がピンとこない方は、下記の参考記事をご覧ください。基本的なことが理解してもらえるはずです。
DAIV A7の外観チェック
DAIVのデスクトップはモデルに限らず筐体は共通となっています。ツヤ消しのブラックカラーで無骨なイメージを演出。BTOメーカーの中でもトップクラスにカッコいいデザインだと思っています。
電源スイッチはダイヤル式となっており、車やバイクにキーを刺して点火させるイメージなんだとか。電源ボタンに1つにしても工夫があるので気分が上がってしまいますよね!
フロント部はUSBコネクタ、イヤホンジャックなどの各種デバイスを接続しやすいようになっています。少しだけ斜度をつけているのも「こだわり」なんだとか。
エアフローはフロントとサイド側から吸気し、熱をもちやすいグラフィックに直接風があたるような設計になっています。フロントにはメッシュパネルも付属していますのでホコリの侵入を防ぐ徹底ぶり。
スタジオ内での移動を想定しているため、ハンドルやキャスターが標準装備されています。仮にそうしたクリエイターではなくても、デスク下から引き出す際や、パソコンをかつぐ際に上下のハンドルを両手でつかめたりと便利です。
重量があるモデルなので少し心配ですが、形成部分とつなぎ目には板金補強しているので重量を気にすることなく使っても平気なんだとか。
DAIV A7 インターフェース
・DisplayPort×3、HDMI×1
・USB3.0×8(前面 Type-A×2 / 背面 Type-A×6)
・USB3.1×2( 背面 Type-A×2)
・ネットワーク×1(背面 2.5GBASE-T/1000BASE-T/100BASE-TX/10BASE-T対応(RJ-45)×1)
・ヘッドフォン出力、マイク入力、等
モデルによって表記内容と異なる場合があります。
CPU Ryzen 5 5600Xの性能
DAIV A7に搭載されているCPUはRyzen 5 5600Xです。6コア12スレッドのCPUで、通常は3.7GHzで動作し、負荷がかかった時にはオーバーブーストで最大4.6GHzまでオーバークロックします。
名称 | スコア | クロック(OB) | コア(スレッド)数 | TDP |
Ryzen 7 5800X | 28493 | 3.8GHz(4.7GHz) | 8コア16スレッド | 105W |
Ryzen 5 5600X | 22161 | 3.7GHz(4.6GHz) | 6コア12スレッド | 65W |
Ryzen 7 3700X | 22742 | 3.7GHz(4.3GHz) | 8コア16スレッド | 65W |
Ryzen 5 3600X |
18309 | 3.8GHz(4.4GHz) | 6コア12スレッド | 95W |
Core i7-12700 | 32117 | 2.1GHz(4.9GHz) | 12コア20スレッド | 65W |
Core i5-12400 | 19333 | 2.5GHz(4.4GHz) | 6コア12スレッド | 65W |
Core i7-11700 | 21469 | 2.5GHz(4.4GHz) | 8コア16スレッド | 95W |
Core i7-10700 | 17632 | 2.9GHz(4.8GHz) | 8コア16スレッド | 65W |
PASSMARKの公開データによると「Ryzen 5 5600Xは22161」となっており、従来のRyzen 7に匹敵するほどのスコアです。従来モデルの「Ryzen 5 3600X」よりも約21%高いスコアなの進化を感じられますよね!
スコアだけで見るならCore i7-11700とも勝負ができるレベルで、クラス以上の処理能力を有しているCPUといった印象を受けます。ただし最新の第12世代には逆転を許しています。(今後のRyzenの動きが気になります)
CPU-Z ベンチマークスコア
CPU | シングルスレッド | マルチスレッド |
Ryzen 7 5800X | 669.4 | 6739.4 |
Ryzen 5 5600X | 638.5 | 5000.6 |
Ryzen 7 3700X | 516.7 | 5560.9 |
Core i7-12700 | 749.2 | 8889.5 |
Core i7-11700 | 659.1 | 6127.0 |
Core i9-11900K | 713.5 | 6546.1 |
シングルスレッドのスコアが638.5、マルチスレッドが5000.6となりました。
旧世代Ryzen 3000番台とRyzen 5000番台の大きなちがいはシングル性能の高さです。シングル性能が引きあがったことにより多くの作業で快適性を得られました。例えばゲームやRAW現像といった作業はシングル性能が高いほうが良いスコアを出す傾向にあります。ただしCPU単体の価格も上がっています・・・
Ryzen 7 3700Xと比較するとマルチスレッドはやや低いので、コスパやマルチ性能重視という方なら旧モデルでも問題ないかもしれません。ミドルクラスなのでRyzen 7 5800Xを採用しても良さそうですが、そうしないのは熱処理の問題を懸念しているのかもしれませんね。
CINEBENCH R20 スコア
CPU | シングル | マルチ |
Ryzen 7 5800X | 621 | 5993 |
Ryzen 5 5600X | 595 | 4415 |
Ryzen 7 3700X | 504 | 4822 |
Core i7-12700 | 726 | 6751 |
Core i7-11700 | 592 | 3788 |
Core i7-10700 | 492 | 3564 |
CINEBENCH R20のスコアはシングルで595、マルチで4415となりました。やはりシングル性能が高く、マルチスコアはRyzen 7 3700Xにわずかに劣るといったところです。
ストレージ性能
ストレージは理論値で3000MB/s程度の読み込み速度が可能なNVMe SSDです。この規格としては標準的な速度ですが、パソコンの起動も速く、サクサク快適に動作してくれます。
速度にこだわりたい人はGen4タイプのSSDにカスタマイズするのも良いかもしれません。
GeForce RTX3060のグラフィック性能・ゲームスコア
※写真はDAIV Z7です。DAIV A7は空冷CPUクーラーを採用
DAIV A7はGeForce RTX3060が採用されています。RTX3060TiやRTX3070とどれくらい性能差があるのか?注目ポイントの1つです。
ゲーム(FF15)のベンチマーク
モデル | 設定 | 結果 |
DAIV A7 (RTX3060) |
3840×2160(標準品質) | 普通(4331) |
1920×1080(標準品質) | とても快適(11613) | |
GALLERIA RM5C-R36T (RTX3060Ti) |
3840×2160(標準品質) | 普通(5341) |
1920×1080(標準品質) | とても快適(12738) | |
raytrek ZF (RTX3070) |
3840×2160(標準品質) | 快適(6705) |
1920×1080(標準品質) | とても快適(16314) |
重量級タイトルのFF15ですが、4K解像度でも普通という結果になりました。ただし上位パーツのRTX3060Tiとの差は大きく、RTX3070に至ってはしっかりとした差がついています。
これくらいの金額を出すならゲーミング性能もついてきてほしいところではあります。RTX3060TiやRTX3070なら、最新ゲームでも高設定、高フレームレートが期待できるので合わせて検討してください。
・RTX3080搭載!おすすめパソコン
・RTX3070搭載!おすすめパソコン
・RTX3060Ti搭載!おすすめのパソコン
RAW現像にかかる時間は?
現像に使ったソフトは無料ソフトの「RawTherapee」で、JPEG品質は90%、高画質での変換です。このソフトはかなり重たいのですが、画像の読み込みも速く、編集を当ててストレスなく反映されるので快適に感じました。
参考までに過去のテスト結果をご紹介します。
CPU | 処理時間 |
Ryzen 7 5800X | 3分46秒 |
Ryzen 5 5600X | 3分55秒 |
Ryzen 9 3900X | 3分51秒 |
Ryzen 7 3700X | 4分58秒 |
Core i7-12700 | 3分13秒 |
Core i7-11700 | 4分16秒 |
Core i7-10700K | 4分30秒 |
Core i9-11900K | 3分56秒 |
約150枚(5GB)のRAWデータを一括変換した時にかかった時間は「3分55秒」でした。
シングル性能の高さも手伝ってかトップクラスの処理能力を見せてくれました。Ryzen 5 5600XはCore i9-11900Kと同等の処理時間と考えるとちょっとすごいですよね!
エントリーモデルのDAIV A5でも同じCPUが採用されています。グラフィック性能をそこまで必要としないRAW現像が目的なら下位モデルで十分かもしれません。安く抑えられますしね。>DAIV A5レビュー
動画の書き出しにかかる時間は?
参考までに過去のテスト結果をご紹介します。
CPU | 処理時間 |
Core i7-12700×RTX3060 | 2分52秒 |
Core i7-11700×RTX3060 | 4分40秒 |
Core i9-11900K×RTX3070Ti | 3分24秒 |
Core i7-10700K×RTX2070S | 3分34秒 |
Ryzen 7 5800X×RX6700XT |
3分02秒 |
Ryzen 5 5600X×RX6700XT | 4分04秒 |
Ryzen 5 5600X×RTX3060の組み合わせではテストを行えていないのですが、Ryzen 5 5600X×RX6700XTの処理時間に近い結果が出ると思われます。高解像データ処理も十分に行える性能ですし、RTX3060はVRAMが12GBと余裕があります。
パソコンはうるさい?静音性は?
高負荷がかかるとさすがに冷却ファンが回りますが、これは一般的なパソコンと同様に感じました。特にうるさすぎるとか、作業に集中できないなんてことはありませんでした。
出荷は遅い?どれくらいで到着するの?
パソコンがいつ手に入るか気になる人も多いでしょう。DAIVの出荷予定日はだいたい「注文が確定してから4~5日程で出荷」です。これはカスタマイズをした場合でも変わりません。
当日15時までに注文が確定した場合の目安で、土日祝は注文が確定されません。早く手元にパソコンが欲しい場合は注意しましょう。
※2020年02月時点では、注文集中による出荷遅延が発生しているようです。カスタマイズ、お見積画面で予定出荷日を必ず確認するようにしてください。
DAIV A7のデメリット
・3000番台のコスパが消滅
・カスタマイズが選べない
・オプション品がゼロ
デスクトップにありがちですが、PC関連デバイス(マウスやキーボード)は付属しません。当然ながらモニターも自分で用意しないといけないため、結果的にコストが高くつく可能性もあります。
また昨今のPCパーツ供給不足も手伝ってか、カスタマイズ項目もあまり選べません。価格の高騰もありますが「欲しい時に買えない」という事態だけは避けないので、PC更新を考えている人には確実な行動をおすすめします。
DAIV A7はこんな人におすすめ
- 性能がそこそこ高いモデルが欲しい人
- シングル性能重視の人
- ゲーミング性能は並みでOKという人
- 写真家、ゲーマー、動画クリエイター、イラストレーター
公式HP:https://www.mouse-jp.co.jp/
DAIV A7シリーズの感想まとめ
DAIV A7シリーズをレビューしてきました。
RAW現像や動画編集といった高負荷な作業にも耐えるパフォーマンスは素晴らしいです。本体も良くできていますし、なによりスタイリッシュなのでデザインとしてノイズにならないのは好印象。とても作業に集中できるデスクトップだと思います。
ただCPU性能(マルチ)、グラフィック性能、価格などで突出した面がないのが気になります。カスタマイズで自由にできれば「欲しい」がより強調できるモデルなのにな~と感じました。いや・・性能もほんと十分なんですよ・・ただの欲張りです(笑)
マウスコンピューターは国内生産ですし、サポート体制や、アフターフォローも手厚いので万が一のトラブルの時にも誠心誠意対応してもらえるだろうという期待感がもてますから安心です。
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