マウスコンピューター様よりクリエイター向けの「DAIV 4Nシリーズ」をお借りしました。(この記事では、従来機のDAIV NG4300の情報を一部掲載しています)
モバイルパソコン並みの1.09kgという軽さと、Core i7、専用グラフィック搭載でパフォーマンスを高めています。しかも14型のディスプレイは色再現にも優れ、RAW現像をはじめとするクリエイト作業に向いています。
それではDAIV 4Nをレビューしていきます。各ベンチソフトの結果や、実際にRAW現像にかかった時間なども掲載していますので参考にして下さい。
当サイト(RAWCOM)限定のパソコンも公式ホームページで販売しております。通常に購入するよりもお得な構成・価格に仕上がっています。詳細をご覧になって検討いただけると嬉しいです。
DAIV 4Nシリーズの性能
公式HP:https://www.mouse-jp.co.jp/
マウスコンピューターのDAIV-4Nシリーズは、DAIV史上最も軽量なパソコンです。軽くて小さいパソコンは非力というのが相場ですが、4NシリーズはGeForce MX250を搭載するなどしてパフォーマンスを高めています。さらにマグネシウム合金採用で、軽量性と堅牢性を両立させています。
軽いから積極的に持ち出せますし、外出先でもタフな作業が可能となれば魅力的に感じる人は少なくないでしょう。メーカー側は、NTSC比 約72%液晶(参考値 sRGB比換算 約102%に相当)により精度の高い色調確認が可能とうたっていることを見ても、クリエイターにピッタリのパソコンと言えそうです。
そんなDAIV 4Nシリーズの魅力に迫る前に、まずは過去モデルDAIV NG4300シリーズとのちがいを確認してみましょう。
DAIV NG4300シリーズとの違い
従来モデルDAIV NG4300シリーズとは何が違うの?という疑問がある人がいるかもしれませんので、簡単におさらいしておきます。
- CPUがCore i7-10510Uになりパフォーマンスが向上
- USB Power Deliveryに対応(Type-Cで充電可能になった)
- 1.13kg→1.09kgへより軽量化された
- 次世代の超高速規格 Wi-Fi6 に対応
- 駆動時間が14時間→12時間に減った
- ラインナップが廃止→基本モデルのみになった
- 最安モデル129,800→139,800円になった
基本的には性能がアップしており、クリエイト作業がより快適になっていることは言うまでもありません。その代わりと言ってはなんですが、駆動時間が短くなってしまっています。
価格に関しては1万円アップしているようですが、メモリ8GBだったので安いだけです。16GBにカスタマイズしたら似たような金額になるので「損をした」「買い時を逃した」などの心配しなくて良いです。
クリエイト用途でメモリ8GBってあり得ないですし、なんならCPUの性能も上がっているのに値段が変わらないからお得なくらいでしょう。
DAIV 4Nの基本構成
CPU:Core i7-10510U
GPU:GeForce MX250
メモリ:16GB
SSD:256GB NVMe対応
価格:139,800円
詳細:公式サイトをチェックする
※構成は記事執筆時の内容で、変更になる可能性があります。
テスト機も基本構成のままになっております。もちろんカスタマイズにも対応していますので、好みのマシンに仕上げることも可能です。
パーツの話がピンとこない方は、下記の参考記事をご覧ください。基本的なことが理解してもらえるはずです。
CPU Core i7-10510Uの性能
搭載されているCPUは第10世代のCore i7-10510Uです。4コア8スレッドのCPUで、通常は1.8GHzで動作し、負荷がかかった時にはオーバーブーストで最大4.6GHzまでオーバークロックします。
名称 | スコア | クロック(OB) | コア(スレッド)数 | TDP |
Core i7-10510U | 8084 | 1.8GHz(4.9GHz) | 4コア8スレッド | 15W |
Core i7-8565U | 7825 | 1.8GHz(4.6GHz) | 4コア8スレッド | 15W |
Core i7-8750H | 12573 | 2.2GHz(4.1GHz) | 6コア12スレッド | 45W |
Core i7-8550U | 6613 | 1.8GHz(4.0GHz) | 4コア8スレッド | 15W |
Core i7-10510Uは、モバイルノートなどの小型のパソコンによく採用されているCPUです。消費電力が小さいので、バッテリーのもちが良くなるといったメリットがあります。逆に言うと性能がやや落ちる傾向にもあるので、そのあたりがどれくらい影響してくるのか見極めたいと思います。
従来モデルに採用されていたCore i7-8565Uとの差はあまり大きくないようですね。
CPU-Zによるベンチマークスコア
CPU-Zによるスコアは以下の通りです。
CPU | シングルスレッド | マルチスレッド |
Core i7-10510U | 402.8 | 1411.0 |
Core i7-8565U | 368.7 | 1293.9 |
Core i7-8750H | 468.2 | 2845.8 |
シングルスレッドのスコアが402.8、マルチスレッドが1411.0となりました。
率直な感想としては、クリエイト用途で使うならもう少し良いスコアが欲しいかなという印象です。従来モデルよりCPU性能が10%程アップしている感じです。
CINEBENCHによるベンチマークスコア
CINEBENCHによるスコアは729で、クリエイトモデルとしてはちょっと物足りない感じでしょうかね。個人的には、メイン機として使うなら1000以上は狙いたいところかなと思います。
CPU | スコア |
Core i7-10510U | 474? |
Core i7-8565U | 729 |
Core i7-9750H | 1133 |
なぜか思うようなスコアが得られませんでした。AC電源を挿したり、パフォーマンス設定を最も高いパフォーマンスに変えたりしたんですけどね・・・
先の結果ではCore i5-8265Uにも勝っていますので、性能が悪いという訳ではありませんです。どうしてもこのようなことが稀にあるので、他のテストで性能を探っていただければ幸いです。
本機に搭載されているCore i7-105105Uは、決して処理能力が高いという訳ではありませんが、省電力を生かしたサブ機としての立ち位置や、初心者向けのラインを狙っているように思います。
ストレージ性能
※DAIV NG4300のスコアを掲載
Cドライブは512GBの大容量かつ爆速のNVMe M.2 SSDです。Readで1700MB/sを超える速度を見せてくれました。メインストレージでこれだけ高性能なSSDが搭載されていれば、あらゆる面で快適性を得ることができます。
キビキビとした動作は使っていて本当に気持ちよかったですね。
GeForce MX250のグラフィック性能・ゲームスコア
DAIV 4Nに搭載されているグラフィックはGeForce MX250です。モバイル用のGPUですが、CPU内臓に比べるとはるかに強力。独立GPUが搭載されているのが購入の決め手という人も出てくるのではないでしょうか。
参考までに、PassMark社の公開しているスコアをどうぞ。
GPU | スコア |
GeForce MX250 | 2681 |
GeForce MX150 | 2198 |
GeForce GTX1050 | 4718 |
MX150の2198に対してMX250は2681と、2割ほど高性能化しているのがわかります。GTX1050は約2倍ほど高性能なので、パフォーマンスをとるか、持ち運びのしやすさをとるか悩ましいところです。
CINEBENCHのベンチマーク

DAIV 4N

NG4300
結果は94.12fpsでした。
以前にMX150を搭載したノートPCをテストしたときには、85.45fpsという結果も出ています。若干とは言え、性能がアップしていることに変わりはありません。
FF15(重たいゲーム)のベンチマーク
軽量品質 | 1280×720 | 普通(3891) |
重量級タイトルで有名なFF5では、軽量設定で普通という結果を得られました。モバイルノートとは言え、一応遊べるということになるでしょうか。
少し昔まではカスタム設定で下げられるものを全部下げて、なんとか動いたぞ(ハァハア)という感じだったんですが…MX150なんてどれだけ下げても「やや重たい」にしかならなかったですからね。
これくらいのスコアが出るなら、タイトル次第では結構快適に遊べちゃいそうな気がします。
RAW現像にかかる時間は?
約150枚(5GB)のRAWデータを一括変換した時にかかった時間は「8分45秒」でした。快適と言うにはちょっと遠い気がします。
現像に使ったソフトは無料ソフトの「RawTherapee」で、JPEG品質は90%、高画質での変換です。このソフトはかなり重たいのですが、画像の表示も速く、編集を当てても一瞬なので快適でした。
参考までに過去のテスト結果をご紹介します。
CPU | A機 | B機 |
Core i7-10510U | 8分45秒 | |
Core i7-8565U | 9分36秒 | |
Core i7-8750H | 5分53秒 | 6分32秒 |
結果はご覧の通りなのですが、RAW→JPGへの一括変換は苦戦している様子。1枚づつ現像している際にも、数値をさわると一瞬の待機時間が発生します。僕が使っているのが2000万画素クラスのミラーレス一眼なので、4000万画素を超えるようなデータだとさらに辛くなるかもしれません。
ブログや、SNS、コンテスト用に何枚か現像するくらいなら問題ないでしょうが、RAW現像が日課になっているような人は避けたほうが無難かもしれません。
できればCore i7-9750Hを搭載したノートPCを選ぶ方が幸せになれそうな気がします。→Core i7-9750H搭載のおすすめノートPC
動画の書き出しにかかる時間は?
使用した動画編集ソフトはResolveです。
4K動画(24P)約5分間の映像のレンダリングにかかった時間は、約16分04秒でした。データ容量は3.67GBです。
書き出しの条件は以下の通りです。
・フォーマットはMP4
・コーデックはH.264
・解像度は3840×2160
・フレームレートは24
・品質は最高品質
4K動画はさすがに現実的じゃないなと感じるレベル。はっきり言ってスペック的に無理があります。
フルHDの簡単な動画なら作れないこともないですが、長時間になればなるほどストレスを覚悟した上で臨むことになるでしょう。
動画編集目的なら僕はGPUの性能が高いノートパソコンを選びます。DAIVだと5Pシリーズや、5Nシリーズが該当します。
>>DAIV 5Pシリーズレビュー(GTX1650搭載でFHD動画編集におすすめ)
>>DAIV 5Nシリーズレビュー(RTX2060搭載で4K動画編集に対応)
×264 FHD BENCHMARKによるスコア
x264 FHD BENCHMARKでは「スコアが15.4」「エンコード時間が2分42秒」という結果になりました。参考までにデスクトップCPUのCore i7-8700ですと「スコアが45前後」「エンコード時間は55秒前後」です。やはり処理能力はそこそこ・・・いや低いです。
PCMARK10のスコア
PCMark10 score | Essentials | Productivity | Digital Content Creation |
3759 | 7981 | 6703 | 2697 |
- Essentials:基本的な性能を測定
- Productivity:office系の性能を測定
- Digital Content Creation:写真・動画編集などの性能を測定
結果は3759で、一般向けの軽量モバイルモデルよりはいいかなくらいです。処理能力をウリとするよりも、小型軽量で持ち出しがしやすいのが武器という印象がよりはっきりとしてきました。
パソコンはうるさい?静音性は?
DAIV 4Nを使っていて感じたのが、従来モデルよりもファンが静かになったような気がするということ。最近高性能なパソコンを使うことが多かったせいかもしれませんが、意外と静かだなという印象を受けました。
多少負荷のかかる作業でも、これくらいの音なら外で出来てしまいそうな感じがします。
出荷は遅い?どれくらいで到着するの?
パソコンがいつ手に入るか気になる人も多いでしょう。DAIVの出荷予定日はだいたい「注文が確定してから4~5日程で出荷」です。これはカスタマイズをした場合でも変わりません。
当日15時までに注文が確定した場合の目安で、土日祝は注文が確定されません。早く手元にパソコンが欲しい場合は注意しましょう。
2020年3月現在、出荷遅延が発生しており出荷まで10日ほどかかるようです。お急ぎの場合は出荷予定日を必ず確認するようにしてください。
DAIV 4N(NG4300)を開封!
性能面の話が続きましたが、ここからは外観やデザインなどを含めて使ってみた感想に移りたいと思います。
※画像は従来製品のNG4300シリーズとなります。
とにかく軽い!指先でつまんで持てるレベル
DAIV 4N(NG4300)シリーズに関しては「とにかく軽い」という印象が強いです。それもそのはずで、重量はわずか1.09kgしかありません。ペットボトル2本分で、RAW現像やちょっとした動画編集には充分堪えるのですから驚くべきでしょう。
化粧箱もこれまでのモデルよりも圧倒的に小さく、運送会社さんから受け取った時点で軽いと感じるレベルです。
色はややシルバーよりのブラックと言った感じ。マットな質感で指紋はそれほど目立ちません。デザインがシンプルなので万人受けするかと思います。

裏側には、横長のゴム脚がついています
ディスプレイの品質が良く、編集作業がはかどる
NTSC比 約72%液晶(参考値 sRGB比換算 約102%に相当)は、写真や動画の視聴に最適です。あきらかに色の鮮やかさや、濃さ、グラデーションの美しさを感じます。人肌の赤みがわかったり、空や海の青さがより美しかったりと眼を楽しませてくれます。
14型クラスで高品質なディスプレイを搭載したモデルはそう多くないので、この点はかなり評価できると思います。
ベゼルレスでスッキリしているのも、最近のモデルっぽくて好印象です。
DAIV 4Nのインターフェース
・HDMI
・USB2.0
・USB3.0×3 (Type-A/ 右側面×1、左側面×1、Type-C/ 右側面×1)
・ネットワーク×1 (1000BASE-T/100BASE-TX/10BASE-T(RJ-45) / 左側面×1)
・ヘッドセット、等
インターフェースも充実しており、プリンターやカラーマネジメントディスプレイなどの外部デバイスとの接続に有利です。
ちょっとネックだったのがHDMIやType-Cなど使いそうなインターフェースが右側に設置されていること。マウス使用時の干渉が気がかりでした。狭いスペースで作業されている方は、ストレスを感じそうな気がします。
あとクリエイターモデルをうたっているなら、カードリーダーくらいはつけてほしい・・・
次世代の超高速規格 Wi-Fi6 に対応
より高速なインターネット環境を提供してくれるWi-Fi6に対応。従来よりも約5倍高速な通信が可能になりました。Wi-Fi6に対応したルーターも増えてきていますし、デバイスを複数接続してもスムーズなので意外と無視できないポイントだったりします。
DAIV 4Nのキーボード
キーボードは キーピッチ約18mm 、 キーストローク約1.4mmとなっており、一般的な品質だと感じます。バックライトも採用しています。
コンパクトなので10キーがないのは仕方ありませんが、テキストを打っている際にひっかかりのようなものを感じたのがいただけません。数は多くないもののスムーズに押し込めないキーがいくつかありました。打鍵感がイマイチなので、リズム感を重視する人は避けたほうが無難かもしれません。
配置も特に変な箇所はなく、初見でも普通にタイピング可能です。最近は特殊配置のキーボードも多いので、そこは評価できるポイントかと思います。
DAIV 4Nはこんな人におすすめ
- 野外活動中心のクリエイター
- 性能よりもフットワークを重視したい方
- 小さくてGPU搭載のノートPCが欲しい方
- モバイル用のサブパソコンが欲しい方
公式HP:https://www.mouse-jp.co.jp/
DAIV 4Nの感想まとめ
DAIV 4Nは、軽量なモバイルPCとしては処理能力が高く、専用グラフィック搭載による後押しもある魅力的なパソコンです!
プロフェッショナルな作業や、日常的なクリエイト作業に使うにはパフォーマンスが不足する可能性はありますのでメインパソコンとしては選びにくい印象も受けます。とは言え、フットワークを重視したい人や、重たいノートPCに疲れたという方なら手を伸ばす価値は十二分にありそうです。
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