パソコンを検討している人の中には「デクストップかノートパソコンどちらにしようかな?」と考えている人も多いでしょう。両者は様々な点で比較する必要があります。特にCPUはパーツの中でも要といっても良いくらい大切です。
そこでデスクトップ用のCPUである「Core i7-9700」と、ノートパソコン用の「Core i7-9750H」を比較して、スコアや処理能力にどれくらい差があるのか比較したいと思います。
※2020年2月「Core i7-8750H→Core i7-9750H」「Core i7-8700→Core i7-9700K」へと修正いたしました。
目次
デスクトップとノートパソコンのCPUの違いをチェック
デスクトップとノートだと、使用目的がちょっと変わってきます。自宅に据え置きで使うデスクトップは、処理能力を優先して性能を引き上げることができます。物理的にも余裕があるので拡張性が高いのも魅力です。
一方のノートパソコンは、モバイルを想定しているので「バッテリー」「サイズ」「重量」「排熱」など様々な問題に取り組まなければなりません。必ずどこかで制限にかかりやすくなってしまうので、バランスを見極めなながら開発をされています。
これらの特徴は、CPUの特徴を見ても理解できます。
CPUの比較表
名称 | スコア | クロック(OB) | コア(スレッド)数 | TDP |
Core i7-9700K | 17696 | 3.6GHz(4.9GHz) | 8コア8スレッド | 95W |
Core i7-8700 | 15171 | 3.2GHz(4.6GHz) | 6コア12スレッド | 65W |
Core i7-9750H | 13740 | 2.6GHz(4.5GHz) | 6コア12スレッド | 45W |
Core i7-8750H | 12573 | 2.2GHz(4.1GHz) | 6コア12スレッド | 45W |
スコアというのが処理能力を数値であらわしたものになります。この表ではPASSMARKが公開しているスコアを掲載しています。
デスクトップ用のCore i7-9700Kのスコアは「17696」で、ノート用のCore i7-9750Hは「13740」です。比較するとデスクトップCPUのほうが約30%高性能ということがわかります。
ちなみに今回のテストでは用意できなかったのですが、Core i7-9700のスコアは15989です。CPUの末に「K」の有無があるかどうかで10%程性能差があります。
クロック数を見てみると、デスクトップCPUのほうが全体的に高くなっています。消費電力やサイズのことを考えなくてはならないノートPCに比べて、純粋に性能を突き詰められるという点ではデスクトップほうが有利です。
ここで「ノートパソコンのCPUはダメ」だと早合点はしないでください。むしろ様々な課題をクリアしてこの数値に収まっているのはすごいことです。
実際の使い心地をふくめて、この後テストしていきます。
比較するパソコンのスペック
比較するパソコンは、マウスコンピューターが展開するクリエイターモデルの「DAIV」です。随所で性能の違いはありますが、デスクとノートを完全に同じ環境でテストするのは困難なので仕方がありません。
どちらのパソコンもハイスペックと呼ぶのにふさわしい性能になっています。実際に両方とも使ってみましたが、それぞれに感動のあるパソコンでした。詳細はレビューでご確認ください。
名前 | DAIV-DGZ530 | DAIV-5N |
写真 | ![]() |
![]() |
タイプ | デスクトップ | ノートパソコン |
OS | Windows 10 Home 64ビット | |
CPU | Core i7-9700K | Core i7-9750H |
グラフィックス | GeForce RTX 2060(6GB) | |
メモリ | 16GB | |
SSD | 256GB | 512GB |
HDD | 2TB | – |
チップセット | インテルZ390 チップセット (ATX) | インテルHM370 チップセット |
レビュー | 詳しく見る | 詳しく見る |
この表を見てもピンとこないという人は参考記事をご覧ください。パーツのお話がざっと理解できるかと思います。
ベンチマークソフトで比較
ここからはベンチマークソフトを使って、CPUの性能を掘り下げて見ていきます。
CPU-Zでスコアをチェック
ベンチマークソフトのCPU-Zを使ってスコアを出してみた結果です。
Core i7-9700K
Core i7-9750H
シングルスレッド | マルチスレッド | |
Core i7-9700K | 566.0 | 4326.4 |
Core i7-9750H | 503.0 | 3431.8 |
デスクトップCPUがシングルスレッドで約12%、マルチスレッドでは約26%高いスコアになっています。CPUの性能は掛け算的なところがあるので、実際に使ってみるともっと大きな差を感じる可能性はあります。
CINEBENCHによるスコア
CINEBENCHを使ってテストしてみます。ここではDAIV 5P(ノート)のスコアを掲載していますのでご了承下さい。結果は以下の通りです。
Core i7-9700K
Core i7-9750H
Core i7-9700K | 1493 |
Core i7-9750H | 1133 |
Core i7-9700Kが「1493」で、Core i7-9750Hが「1133」となりました。デスクトップCPUのほうが30%ほど高性能です。
参考までに従来製品のCore i7-8700が1405、Core i7-8750Hが1151です。
処理能力の差を比較!
ベンチマークソフトでは、CPUの性能を数値化して見ることができますが「実際に使ってどうなの?」ということが見えてきません。ここからは「RAW現像」と「動画編集」にかかった時間を計測しながら、使い心地を見ていきます。
RAWの一括変換にかかる時間は?
RawTherapeeというソフトを使って、約150枚(5GB)のRAWデータを一括返変換した時間を計測しました。JPEG品質は90%、高画質での変換です。
Core i7-9700K | Core i7-9750H |
4分53秒 | 5分44秒 |
その差は約1分で、大量のデータを扱う人には無視できない差なのではないでしょうか。毎日RAW現像をするような人なら、この積み重ねが大きな時間を生み出すか、浪費に繋がるか?明暗を分けそうです。
もちろんノートパソコンはモバイルも可能ですし、液晶一体型で場所をとらないというメリットもあるので、天秤にかけるのは処理能力だけではありません。ノートPCの処理能力は、十分に妥協できるラインだと判断する人もいるはずです。僕はどちらかと言えばそっち派ですね。
動画のレンダリングにかかる時間は?
使用した動画編集ソフトはDAIVが推奨パソコンを販売しているResolveです。
4K動画(24P)約5分間の映像のレンダリングにかかった時間を計測します。データ容量は3.67GBです。
書き出しの条件は以下の通り。
・フォーマットはMP4
・コーデックはH.264
・解像度は3840×2160
・フレームレートは24
・品質は最高品質
CPU | Core i7-9700K | Core i7-9750H |
時間 | 4分46秒 | 5分14秒 |
動画のレンダリングは、CPU性能だけではなくGPU(グラボ)の性能にも影響されます。今回はRTX2060という同じグラボを使っていますが、ノートのほうが若干性能が落ちる点は加味しなくてはいけません。
5分の動画を作成する場合、デスクトップなら約30秒の短縮化につながります。と言っても、個人的には目くじらをたてるほどの差には思えないんですよね。
ノート用CPUはボトルネックに注意
両者を比較している時に感じたのですが、ノートパソコンの場合は熱にも注意しなければなりません。あまり高熱になってしまうとパソコンは本来の性能を発揮できないからです。
ノートパソコンはボトルネック(熱やサイズ)に足を引っ張られるケースは少なからず発生することを覚えておきましょう。特に長時間継続して作業するような人は、注意が必要だと思います。
まとめ
・デスクトップ用CPUのほうが安定して性能を発揮できる
・ノート用CPUは様々な課題をクリアしないとならない
・ノートパソコンも十分な処理能力を有している!
今回の比較テストの内容では「デスクトップ用のCPUがおすすめ」というような結果になりました。排熱や電力などの条件をクリアできれば、ガンガン性能があげれるデスクトップはやはり有利ですね。安定して負荷のかかる処理もこなしてくれるでしょう。
僕個人としては、メインでノートパソコンを使っていますし、ブログを書いたり、写真を現像したり、簡単な動画を作る分には充分です。むしろ技術の凝縮感を感じるノートパソコンが大好きです(笑)
もし悩まれている人がいれば、参考になれば幸いです。
当ブログは予算や目的、パーツなどからパソコンが選べるようになっております。ぜひトップページからお気に入りの1台を見つけてください。
比較したパソコン
DAIV-DGZ530
CPU | Core i7-9700K |
メモリ | 16GB |
グラボ | GeForce RTX 2060 (6GB) |
ストレージ | 256GB SSD + 2TB HDD |
DAIV 5N
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