マウスコンピューターより当サイト限定販売の「DAIV Z7」をお借りしましたのでレビューします。
DAIV Z7はIntel CPUを採用したミドルクラスのデスクトップパソコンです。クリエイター向けのパソコンとあって処理能力が高く、RAW現像や動画編集といったクリエイティブ作業を快適にこなせます。それでいて15万円台と良心的な価格設定が魅力で、割と人気があります。
そんなDAIV Z7の魅力がさらに高まるように構成を少し変更、価格はそのままにしているのが当サイト限定モデルです。
【限定モデル】
CPU:Core i7-9700→Core i7-9700K
GPU:Radeon RX5700→GeForce RTX2060 SUPER
NVMe SSD: 256GB→512GB
価格:159800円
DAIV Z7(限定モデル)にてベンチステストを行い、写真編集や動画作成してみた感想を書きましたので参考にしてもらえればうれしいです。
DAIV Z7をレビュー!
公式HP:https://www.mouse-jp.co.jp/
マウスコンピューターのDAIV Zシリーズは、クリエイター向けに販売されているデスクトップパソコンです。
少し前のデータですがDAIV Z7は売れ筋ランキング1位にも輝くほど人気があるデスクトップパソコンです。この他にもRyzen CPUを採用したDAIV Aシリーズがあり、マルチコアが有効な動画編集用途に選ばれているようです。
・Ryzen 9 3900X搭載!DAIV Aシリーズをレビュー
まずはラインナップを確認していきましょう。
DAIVのデスクトップPCラインナップ
DAIVのデスクトップPCは、採用しているCPUで大きく2つにわかれています。IntelのCPUを採用したZシリーズと、AMD CPUを採用したAシリーズになります。
価格は119.800~244,800円と、手を出しやすいモデルから、本格的な作業に向いたパソコンまでが用意されています。
【Intel CPU:Zシリーズ】
型番 | 構成 | 税別価格 |
DAIV Z5 | Core i5-9400 / 16GB / GTX1650SUPER / 256GB SSD | 119,800- |
DAIV Z7 | Core i7-9700 / 16GB /RX5700 / 256GB NVMe SSD/2TB HDD | 159,800- |
DAIV Z9 | Core i9-9900K / 32GB /RTX2070SUPER / 512GB NVMe SSD /2TB HDD | 249,800- |
公式HP | >>詳細を見る |
Intel CPUを採用したDAIV Zシリーズは、Core i5を搭載したモデルが11万円台から購入可能。イラストや趣味でのRAW現像目的で選びやすいラインから、本機のようにスタンダードな構成まで目的に合わせて選べるのが嬉しいところ。
下位2モデルはSSDの容量が256GBと少なく、Intel CPUのコストが重くのしかかっている印象を受けます。どんな用途でも安定した結果を得やすい印象があるIntel CPUなので、多用途に使いたい人はこちらを選択するのがおすすめだと思います。
【AMD CPU:Aシリーズ】
型番 | 構成 | 税別価格 |
DAIV A5 | Ryzen 7 3700X / 16GB /GTX1650SUPER / 256GB M.2 SSD /1TB HDD | 119,800- |
DAIV A7 | Ryzen 7 3700X / 16GB /RX5700 / 1TB NVMe SSD(Gen4) | 169,800- |
DAIV A9 | Ryzen 7 3700X / 32GB /RTX2070SUPER / 1TB NVMe SSD(Gen4) | 204,800- |
公式HP | >>詳細を見る |
※表は記事執筆時の内容で、変更になる可能性があります。
こちらはRyzen CPUを採用したDAIV Aシリーズ。エントリー向け(11万円台)の価格帯でもRyzen 7 3700Xを採用している点が素晴らしいです。HDDも搭載しているし、使い勝手やコスパという意味ではAシリーズのほうが優秀に見えてしまいます。
パーツの話がピンとこない方は、下記の参考記事をご覧ください。基本的なことが理解してもらえるはずです。
CPU Core i7-9700Kの性能
DAIV Z7に搭載されているCPUはCore i7-9700Kです。CPUクーラーは標準的なものになっているので、冷却性にこだわりたい人はカスタマイズするのがおすすめです。水冷クーラーも選べます。
Core i7-9700Kは8コア8スレッドで動作、通常は3.0GHzで動作し、負荷がかかった時にはオーバーブーストで最大4.7GHzまでオーバークロックします。TDPが65Wと抑えられているのに性能が上がっているのはポイント高しです。
Ryzen CPUの性能一覧
名称 | スコア | クロック(OB) | コア(スレッド)数 | TDP |
Core i7-9700K | 14612 | 3.0GHz(4.7GHz) | 8コア8スレッド | 65W |
Core i7-8700K | 14258 | 3.7GHz(4.7GHz) | 6コア12スレッド | 95W |
Ryzen 9 3900X | 31950 | 3.8GHz(4.6GHz) | 12コア24スレッド | 105W |
Ryzen 7 3700X | 23907 | 3.7GHz(4.3GHz) | 8コア16スレッド | 65W |
Ryzen 5 3600 | 20036 | 3.6GHz(4.2GHz) | 6コア12スレッド | 65W |
スコアはPASSMARKが公開しているデータを参考にしています。
Core i7-9700KとCore i7-8700Kを比較するとスコア差は小さく400ほどしかありません。Ryzen CPUと比較するとグレードで勝るはずのRyzen 5 3600にさえ負けてしまっています・・・スコアだけで見るとRyzenのコスパがぶっ壊れている(褒め言葉)ように感じてしまうのは仕方がないのかも。
ただし、実行速度を見ていくとIntelを選ぶ価値が見えてくるかもしれません。この後しっかりと検証していきましょう。
CPU-Zによるベンチマークスコア
CPU-Zによるスコアは以下の通りです。
CPU | シングルスレッド | マルチスレッド |
Ryzen 9 3900X | 525.5 | 8181.9 |
Ryzen 7 3700X | 516.7 | 5560.9 |
Core i9-9900K | 582.0 | 5755.1 |
Core i7-9700K | 526.3 | 4006.5 |
シングルスレッドのスコアが526.3、マルチスレッドが4006.5となりました。
シングルスレッドではIntel製CPUが優位に立つものの、マルチスレッドではコア数の多いRyzenに譲る結果となりました。この両者の性格が向いている作業のちがいになってきます。
Ryzen 7 3700XとCore i9-9900Kのスコアが近いのも気になりますね。比較するCPUが悪かったのかCore i7-9700Kの立場が弱いものに・・・
CINEBENCHによるベンチマークスコア
CINEBENCH R15によるスコアは1508でした。Ryzen 9 3900Xの半分のスコア・・・
CPU | スコア |
Ryzen 9 3900X | 3232 |
Ryzen 7 3700X | 2112 |
Core i9-9900K | 1983 |
Core i7-9700K | 1508 |
CINEBENCH R20では3595となっています。
ストレージ性能
CドライブのSSDの読み速度はおおよそ1750MB/sです。NVMe対応のSSDとしては標準的な速度ですが、これくらいの速度が出ていれば体感的にサクサク感がちがいます。
2TB HDDも搭載されているデュアルストレージ構成ですので、保存したいデータはこちらに逃してやりましょう。
GeForce RTX2060SUPERのグラフィック性能・ゲームスコア
DAIV Z7(限定モデル)は、グラフィックをGeForce RTX2060SUPER(8GB)に変更しています。リアルタイムレイトレーシング、DLSSといった技術に対応しており、リアルに近い映像を楽しむことができます。
CINEBENCHのベンチマーク
結果は142.87fpsでした。
過去にテストした結果ですとGTX1660Tiが118.94fps、RTX2070SUPERが144.72fpsです。なかなか良い結果と言えるのではないでしょうか。
FF15(重たいゲーム)のベンチマーク
標準品質 | 3840×2160 | 普通(4055) |
1920×1080 | とても快適(11166) |
重たいゲームの代表格であるファイナルファンタジーのベンチ結果です。4K解像度でも普通にプレイが可能。
参考までにRX5700ですと、4Kで普通(3768)、FHDでとても快適(9996)となっています。10%ほどスコアに余裕があります。
RAW現像にかかる時間は?
約150枚(5GB)のRAWデータを一括変換した時にかかった時間は「4分43秒」でした。
無料ソフトの「RawTherapee」を使って現像。JPEG品質は90%、高画質での変換になります。このソフトはかなり重たいのですが、画像の表示も速く、編集を当てても一瞬なので快適でした。
参考までに過去のテスト結果をご紹介します。
CPU | A機 | B機 |
Ryzen 9 3900X | 4分52秒 | |
Ryzen 7 3700X | 4分58秒 | |
Core i9-9900K | 4分45秒 | 3分19秒 |
Core i7-9700K | 4分43秒 | 4分56秒 |
Core i7-8700 | 6分18秒 | 5分31秒 |
さんざんRyzenが良い・・という結果を見せてきましたが、RAW現像に関してはIntel勢が有利となっています。結果だけを見れば、Ryzen 9 3900XとCore i7-9700Kが並んでいるのも興味深いですね。
さらに言うなら、Core i9-9900KがRAW現像に関しては最速のタイムを叩き出しています。写真を扱うのがメインならDAIV Z7は良い選択になりそうですね!
>>Core i9-9900K搭載!RAWCOM限定パソコンのレビューはこちら(←現在は販売していません)
動画の書き出しにかかる時間は?
使用した動画編集ソフトはResolveです。
4K動画(24P)約5分間の映像のレンダリングにかかった時間は、約4分49秒でした。データ容量は3.67GBです。
書き出しの条件は以下の通りです。
・フォーマットはMP4
・コーデックはH.264
・解像度は3840×2160
・フレームレートは24
・品質は最高品質
参考までに過去のテスト結果をご紹介します。
CPU | A機 |
Ryzen 9 3900X | 2分59秒 |
Core i9-9900K | 3分48秒 |
Core i7-9700K | 4分49秒 |
RAW現像とちがって、マルチ処理が進められる動画編集ではRyzenの特徴が生きる作業です。書き出しにおいてはRyzen 9のほうが有利と言わざるを得ません。
×264 FHD BENCHMARKによるスコア
x264 FHD BENCHMARKでは「スコアが52.7」「エンコード時間が47秒」という結果になりました。
参考までに、Core i7-9700だと「スコアが46.2」「エンコード時間が54秒」でかなりちがいがあるんですよね。さらにRyzen 9 3900Xですと「スコアが67.6」「エンコード時間は37秒」です。
PCMARK10のスコア
PCMark10 score | Essentials | Productivity | Digital Content Creation |
6810 | 9992 | 8689 | 9871 |
- Essentials:基本的な性能を測定
- Productivity:office系の性能を測定
- Digital Content Creation:写真・動画編集などの性能を測定
計測結果は6810で、性能の高さを裏付ける結果になっていると思います。パフォーマンス面で不満に感じるシーンはまずないでしょう。
パソコンはうるさい?静音性は?
高負荷がかかるとさすがに冷却ファンが回りますが、これは一般的なパソコンと同様に感じました。特にうるさすぎるとか、作業に集中できないなんてことはありませんでした。
出荷は遅い?どれくらいで到着するの?
パソコンがいつ手に入るか気になる人も多いでしょう。DAIVの出荷予定日はだいたい「注文が確定してから4~5日程で出荷」です。これはカスタマイズをした場合でも変わりません。
当日15時までに注文が確定した場合の目安で、土日祝は注文が確定されません。早く手元にパソコンが欲しい場合は注意しましょう。
DAIV Z7の中身を公開!
DAIV Z7の外観写真
まずはざっくりと外観をチェックしていきます。外観はDAIVシリーズ共通となっています。写真は以前にレビューしたDAIV A7のものを使用しています。
DAIVの筐体は黒を基調にした武骨ながらも洗練されたカッコいいシャーシ。個人的にはデスクトップPCの中ではトップクラスのカッコよさだと思っています。
特徴としてはフロント上部にハンドルと、リア下部にタイヤを装備していること。これにより室内を移動したり、デスク下から引き出して裏側にアクセスするといったことが容易にできます。
フロント側には、電源、USB端子などがあるのでアプローチも容易。ちょっとだけ傾斜がついているので挿しやすい。
インターフェース
・HDMI×1、DisplayPort×3 (DisplayPort-DVI-D変換ケーブル付属)
・USB3.0×6(背面×4、前面×2)
・USB3.1×2(Type-A/背面×1、Type-C/背面×1)
・ネットワーク1000Base-T/100Base-TX/10Base-T対応(RJ-45)
・ヘッドフォン出力、マイク入力、等(モデルで異なる可能性があります)
DAIV Zシリーズの内部写真
DAIV Z7の内部です。黒で統一されていてスタイリッシュです。配線もある程度簡単にまとめただけという感じですが、仕事が雑な感じはしません。
これまでのDAIVには見られなかったのですが、ケース内部にもファンが設置されています。グラボの横なので意図は明確ですね。グラボを固定させるサポートも装備されていました。
DAIV Z7のデメリット
・オプション品がゼロ!
・コスパでDAIV Aシリーズに押され気味
DAIV Zシリーズに共通した悩みですが、第三世代Ryzenのコスパが良すぎて押され気味の印象を受けます。とは言え、RAW現像のテスト結果では強さを見せていますし、写真編集専用マシン(ときどき動画)みたいな使い方ならストレスなく使えます。
DAIV Z7シリーズはこんな人におすすめ
- Intel入ってるPCが欲しい人
- RAW現像を日常的に行うクリエイター
- 4K解像度もカバーするGPU性能が欲しい人
- 写真家、ゲーマー、動画クリエイター、イラストレーター
公式HP:https://www.mouse-jp.co.jp/
DAIV Z7シリーズの感想まとめ
DAIV Z7シリーズをレビューしてきました。
ミドルハイあたりに相当するパフォーマンスで、RAW現像や動画編集といった作業に快適性を求めるクリエイターにおすすめのモデルになります。特にDAIV Z7のカスタマイズ費用に頭を抱えていた方に選んで欲しいモデルでもあります。
マウスコンピューターは国内生産ですし、サポート体制や、アフターフォローも手厚いので万が一のトラブルの時にも誠心誠意対応してもらえるだろうという期待感がもてますから安心です。
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